健診に行って周りの子にたくさん言葉が出ていると、自分の子どもは言葉が少ないかもしれないと気になってしまいますよね。私の子どもは言葉が出るのが遅く、1歳半健診では経過観察になりました。2歳になった時の保健士さんとの面談でも、まだ発語が少ないということで、保健センターで開催している発達支援の教室を紹介されたりしていたんです。
3歳になる今では2語文も喋れるようになりましたが、2歳半頃まではほとんど言葉が出ていなかったのです。子どもになかなか言葉が出ていないと、「きちんと耳が聞こえていないのではないか?」「発達に問題があるんじゃないか?」など体の面でも心配になっていましたね。加えて私は、自分の接し方に問題があるのではないか?と不安にも思っていました。
そんな日々の中で、家で日常的に試すことで子供が変わっていった親子対話の方法は何だったのか。2歳を過ぎても言葉が出ない子供とコミュニケーションを取るために大切なステップは何なのかを、私の経験を通して紹介したいと思います。
2歳で言葉が遅い理由は?
私の子供は2歳の時点で10語ほどしか単語が出ていませんでした。言葉の発達に個人差があるとは分かっていても、本当にこのままで言葉が出てくるのかと心配になりましたね。不安をなくすために、自分の母親や子持ちの友人に子育て中はどうだったか聞いてみたりもしましたよ。
その中で、子供の状態を説明すると「子供があなたの言っていることをだいぶ理解しているようだから大丈夫」と言ってもらえました。ここで初めて子供を客観的に見ることができて、「この子はまだ喋る気があまりないだけなのかもしれないな」と思うことができました。
私は専業主婦で保育園などに預けていなかったため子どもと2人きりでいる時間が多かったのですが、自分の子供だけを見ていると成長が遅い部分ばかりが気になってしまいます。ですから、なるべく心配になったことは誰かに相談するようにしていたんです。
発語量について相談することで得られるメリットとは
相談する相手は自分の母親だったり旦那の母親だったり、周りのママ友や子供のいる友人、保健師さんだったりと色々でしたが、あえてあまり厳しいことを言ってこない相手に話を聞いてもらっていましたね。
なぜなら自分が心配になっているところに、さらに厳しいことを言われてしまうと気になりすぎて、子どもに強制してしまいそうで怖かったからです。「大丈夫」と誰かに言ってもらえると気持ちに余裕も出て子どもを冷静に見つめることができ、喋ることに興味を持ってもらうにはどうしたらいいか?といろいろ試そうとする気になれたのです。
もし母親である私が焦る気持ちのままだったら、1つの方法がうまくいかなかった時に”なんでできないの?”とさらに焦ってしまい、なかなか他の方法を試そうとできなかったと思います。
言葉が少ない子どもへの接し方
言葉が出ない、または少ない子どもに、言葉が出てくるようにするためにはどう接したらいいのか気になりますよね。しかし、子どもの言葉が今すぐに増えるようになる方法は残念ながらないのではと思います。
私も子どもが1歳半健診でひっかかった時に、言葉を出すにはどうしたらいいのか調べたりもしましたが、どの方法を試したからといってすぐ出るようになるものではありません。
ただ、今すぐに出ないだけで、子どもがなるべく早く喋りたくなる効果はあると思います。私は自分にも負担がかからない方法を選びました。では子供の発語を促すために1歳半からどんなことをしたかというと、今まで子供の気持ちを察して私が動いてしまっていたことを、言葉に出して教えるようにしたのです。具体的に見ていきましょう。
子供の行動を言葉にする・絵本はママが指さし
例えば子どもがパンや牛乳が欲しいという時に、私には指差しだけで子供の伝えたいことが分かってしまうため、今までは黙って用意していたんです。これでは子供も安心しきってしまって、言葉を出そうという意欲がそがれてしまうかもしれませんよね。そこで、子供がパンを指さした時には「パンが欲しいの?はい、どうぞ」と声がけしながら用意して渡すように変えたのです。
たったこれだけですが、日常の中ではこういった場面が沢山出てくるため、この対話を毎日していくだけで子供の耳に入る言葉は増えていきますよね。最初は変化がなかったものの、2歳を過ぎた頃に指差ししながら「パン」と言うようになり、子どもが好きな物だけは単語で欲しいことを伝えてくれるようになったのです。そして2歳半を過ぎる頃には、「パンほしい」と2語文で教えてくれるようにもなったんです!
また絵本を読む時にも、内容を読むだけではなく、書いてある絵を私が指差して動物の名前を言ってみたりと、今まで以上に話しかけるようにしました。すると、今までは眺めるだけだった子どもが、絵本や絵を見ると指差しするようになったのです。
子供は親の行動を真似して言葉を覚えていく?
さらに子供が指差しをした時に、「なに?って聞くんだよ」と教えながら指差した物の名前を答えていると、2歳3ヶ月頃から指差しをしながら「なに?」と聞いてくれるようになりましたね。2歳半になると、答えてあげるたびにおうむ返しができるようにもなり、自分の名前を呼ばれると返事をするようになったりと、急に言葉が増えてきました。それと同時に物に対する興味や好奇心も増えていったのか、「(これ)なに?」と聞いてくる頻度がとても増えたのです。
いったん言葉が増え始めると、今まであまり言葉が出てなかったのが嘘のように毎日毎日新しい言葉を覚えていくような状態で、子どもが私に話しかけてくる回数もとても増えましたね。子どもの言葉が出ないなぁと思っている方がいたら、お母さんが話しかける回数を増やしてあげるのがいいのではと思いますよ。
子どもが返事をしてくれなくても、聞いてくれているようならどんどん話しかけちゃいましょう。
発語をもたらすのは子供とのコミュニケーション
子どもの言葉が少ないとお母さんは心配になってしまって、早く言葉が出るようにしたい!とつい焦ってしまうと思います。しかし子どもの成長には個人差があるので、2歳で言葉が少なくても必ず問題があるとは言い切れません。
まずは日常生活で少し喋りかける機会を増やしてあげるようにしてみたらどうでしょうか。お母さんから笑顔で喋りかけられているうちに興味が出てきて、子どももだんだん喋りたいと思ってきてくれるかもしれません。
いったん子どもが喋ろうと思ってくれれば後はどんどん勝手に喋り出してくるので、2歳の時点で言葉が少なくても、2歳半、3歳になる頃にはあっという間に言葉が増えているかもしれません。
突然言葉が増えると言われても信じられないお母さんも多いと思いますが、一方通行のコミュニケーションに見えても子供と言葉を通して関わっていくことで、わが子は本当に突然、なんの前触れもなく急に喋り出すようになったのです。子どもの言葉が出なくて不安に思ってる方は、焦り過ぎないようにして子供と向き合っていって欲しいなと思います。