保育事業が活発化するようになってから、お子さんを保育園に預けやすくなる家庭が増えてきているのではないでしょうか。働きながら子育てをするのは、とっても大変な事ですよね。毎日お疲れ様です!
入園前は「やっと保育園が決まった!これから安心して任せられる」と思うかもしれません。しかし...避けられないのが保育園での子供同士のトラブルです。お困りの方も多いでしょう。何とかしたいですよね。
長年保育士をしている私から、問題をスムーズに解決する方法をご紹介します。
保育園で怪我をさせられた!
保育園に子供を預けていると、ケガをしたりさせたりしてしまうことも出てきますよね。友だちと遊んでいる時に噛みつきが起こったり、叩いたりひっかいたりと...いろんなケガが起こります。我が子が被害者になるのも、加害者になるのも避けたいというのは、どのお母さんも思うことでしょう。
何とかしてケガを防ぎたいのは保育士も同じ気持ちなのです。友達同士のトラブルでケガが起こるのはとっても困りますし、子供達の安全を守る側として悲しくなってしまいます。
なにより、何度も同じ相手同士でケンカが起こったり、被害児童が毎回同じだったりすると、本当に可哀想になってしまいます。だから必死で止めるのですが、残念ながら全てを防ぐことはできないのが現状です。
保育園トラブル相談!喧嘩の理由を知ること
ケンカをしなければケガにつながることもないと極論に行き着く人もいますが、それは…どうでしょう。保育士目線でお話しすると、小さい子供は気持ちを上手く言葉で表せません。大きくなって気持ちを話せるようになっても、友だちの気持ちを上手く理解できなかったり解決策を見出せなかったりして、友だち同士のトラブルが勃発します。
そんな経験は、実は子供にとって成長するチャンスです。「こんな解決策があるんだ」「こんな風に気持ちを表現できるんだ」ということを、経験を通して知っていくのです。
一度の経験ですぐに身に付くものではなく、沢山経験することで心が育っていきます。つまり、友だち同士のトラブルの経験が、子供の心を成長させるのです。「トラブルも成長に大事」な時があるんですね。ケガはNGですが、トラブルがNGということではないんです。
保育園トラブル時の保護者の対応は?
ケガの度合いにより、保育士は相手の子供の名前を言わないことがあります。というより、ほとんどの場合はトラブル相手の名前は伝えません。理由は、保護者の間でいらないトラブルは避けるためでもあります。
そんな状況にも関わらず、相手の名前を言われることがあります。怒りの矛先が相手に向いてしまいますよね。そのイライラした気持ちのまま、相手にぶつけることはあまりオススメしません。
まずは、状況が伝えられる年齢であれば我が子に話を聞いてあげてください。気持ちを話してくれたり、実は原因を作ったのが我が子だったということもあります。状況を知ると、冷静になれたりしますよ。相手に話をする時にも、その情報は役に立ちます。
保育園で子供が怪我!?相手の親との向き合い方
だからって、我が子に向かってすごい形相で「どうしてこんなケガを!かわいそうに!痛かったでしょう!」なんてオーバーにしてしまうと、子供も本当のことを話せません。「僕はかわいそうなのかも...」なんて気持ちになっちゃうからです。
「痛かったね。どうしたの、遊んでたの?」なんて落ち着いてゆっくり聞き出しましょう。そうすると、さらーっと状況を教えてくれたりします。状況が分かった上で、相手の保護者の様子を見ましょう。きっと謝ってくるはず。
その際には社交辞令のようになってしまうでしょうが、「子供同士のことなので...」と流してあげてみることも一つです。大きなケガともなるとそうはいかないですが、噛みつきや押されてケガをしたなどの場合はその程度に収めた方が良いこともあります。
例えばオモチャの取り合いが原因で起こる噛みつきや叩き合いなど、子ども同士の偶発的な事故は、次は我が子が加害者になるという可能性もあるからです。トラブル相手の保護者を激しく非難してしまうと、いざ自分の子供が加害者になってしまった時に、すんなりと和解ができなくなってしまうかもしれません。
保育園トラブルに親の謝罪が必要な時
ケガをさせてしまった場合には、相手の方に謝罪を入れる必要があるでしょう。こちらも、ほとんどのケースで相手の名前を知らせません。何度もケガをさせてしまった場合や、ケガの度合いでやむを得ない場合のみ伝えます。
ですから相手の名前を伝えられた場合は、最終段階です。すぐに相手のお母さんを見つけて謝罪しましょう。
そして、お子さんに様子を聞くことも大切ですね。「なにがあったの?」と具体的に話したり、チクチクと言わずに淡々と話を始めてみてください。
保育園トラブル時の先生の責任とは?
ケガをさせたことが全て子供に責任があるというのは、違うと思います。保育士は本来、そのケガを未然に防がなければいけないのですから。
だから加害児童のお母さんに「相手の保護者に謝って」という言葉をかけるのは、昔から何だか疑問がありました。責任は保育士に多くあります。保育士はそんな感情を持たなくてはいけないと思っています。
もし、保育士が謝りもせずに横柄な態度であれば「どうして止めてくれなかったんですか?」と意見していいでしょう。本来、加害者も被害者も作らないようにしなければならないのですから...。
保育園で起きる子供同士の怪我への対処法
園児にケガをさせてしまう、またはケガをすることは避けたいものですが、毎回そうできる訳ではないのが現実です。保育士は何とかして守りたいと思っています。それでも守り切れないことがあります。ケガをさせても、しても嫌ですよね。そんな状態で謝らなければいけないのも...。
もちろん、大きな怪我になってしまった時には、保育園側も相手の保護者側も然るべき対処が必要となってきますので、遠慮せずにどんどん気になることを質問すると良いと思います。しっかりと対応してもらうことで、今後の見通しが立っていきますし、わからないことをそのままにして子供を預け続けると不安が大きくなってしまいますよね。
ただ、子供同士の口喧嘩に至っては、トラブルを毛嫌いしないでほしいと思います。様々な経験を経て、親も子も心の育ちがあったのだという視点で見てみると、トラブルによって思いつめてしまうような心の負担は減っていくのではないでしょうか。