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悪魔の3歳児の子育てが大変な理由とシチュエーション別の対処法

お子さんがこれから3歳児になるという方には、きっと楽しみな時期。そしてもう過ぎた方には、涙なくしては語れない時期。それが3歳ではないでしょうか。

わが家には6歳の長男と、3歳を乗り越えたばかりの4歳の次男と、これから3歳を迎える1歳の三男がいます。長男次男それぞれの3歳の時期の特徴、やらかした事、そして対処法をご紹介します。親にとって辛い時期を乗り越えるために、どんな事ができるのでしょうか。

悪魔の3歳児

長男がいわゆる「魔の2歳児」真っ只中だった頃、この「悪魔の3歳児」という言葉を聞いて愕然とした覚えがあります。えっ、さらにこの上をいくの?と…。

2歳のイヤイヤ期を乗り越えたと思ったら、さらに言葉や態度がレベルアップしてしまうのが3歳児。今までなんとなくイヤイヤしていたのが、ちゃんと理由まであったりするのが困ったところ。口も達者になってきているので、生意気な物言いに思わずカッとなってしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

またこれくらいになると力も強くなっているので、今までは外出先などで困ったら抱えてしまえば良かったところが、そうもいかなくなってしまうのも悩ましいところなんですよね。「自分でやりたい」という意思がはっきりあり、「でも思い通りにならない」のが3歳の不機嫌の原因のひとつ。「第一次反抗期」とも言われています。

3歳に起こりがちな困ったこと

いつも通りバナナを切ってフォークと一緒に出したら激怒!

バナナの皮を自分でむきたかった、切らないで食べたかったとの事。

でも残念ですが切ったバナナは元には戻りません。

着替えを出したらこれじゃないと激怒!

赤いのがいい、あの恐竜のズボン、とごね始め、それじゃなきゃ外には出ないと。

でも昨日着たばかりで今まさに洗濯中なんです。

靴を履かせようとしたら激怒!

マジックテープをはがすな、元に戻せと激怒!これも自分でやりたかったんですね。

はい、と玄関に置くも怒りは収まらず、さっきと場所が違うとか無茶苦茶な事を言い出します。

公園から帰る事をうながしても当然のように激怒!

素直に帰るはずがありません。地面にひっくり返るわが子を「あー本当にいるんだこういう子」と何度眺めた事か。

近くにいる先輩ママからの、優しく見守る同情の視線を感じますよね。ちなみに長男は、激しく泣きわめく事なく無言で地面に横たわり、帰りたくないアピールするタイプでした。

こういった細かい事が、大げさでなく1日中ひっきりなしに続くので、しまいにはこちらも怒りを通り越してげんなりしてきます。

3歳児はなぜここまで理不尽なのか

もう理不尽以外の言葉が見当たらない悪魔の3歳児。これは、自分の要求や好みを今までよりはっきりと理解できるようになってきた事が理由といわれています。それを主張し、無理矢理にでも通したい。発達心理学では「自己主張的行動」と言い、自我の発達と深く関係しているとされています。

また、「これを言ったら相手はどう思うだろう」「こんな事言ったら悲しませちゃうかな」と考えてから発言する事がまだできません。これが思わずイラっとさせる生意気な言葉の理由で、脳の発達が未熟なためです。

どうしてもやりたい事がある、でもまだうまくできないし言葉で説明するのも難しい、もどかしくてムシャクシャする!というのが3歳児の頭の中で起こっているのです。

参考資料:幼児における自己主張行動の発達的研究 http://www.coder.or.jp/hdr/23/HDRVol23.25.pdf

「待つ」ことが難しい3歳児

待てない、ということも理不尽な言動につながっていると言えます。3歳ではまだ「待つ」という事がとても難しいそうです。長男5歳、次男3歳の頃に実験してみた事があります。

それぞれのお皿にまずビスケットを3枚ずつ入れ、「時計の長い針がひとつ進むまで待てたら、なんとビスケットがもう1枚増えまーす!」と言ったんです。やったー!と言って待つ姿勢の長男。かたや次男は、本当に一瞬迷う表情をしたものの、そのままぱくりと食べました。

なんで!?と驚く長男でしたが、私はなるほどこういう事かと納得。待った先に起こるいい事を想像はできても、目先の事を我慢できないのが3なのですね。

帰りたくないと抵抗する3歳児への対応方法

脳がすくすく成長真っ只中の3歳児。とは言え接するこちらがすべて受け入れて我慢するのは、現実には難しいところですよね。そこで、それぞれにどんな対応をしていたかご紹介します。長男次男タイプが違いますので、お子さんに近い方を参考にしてみてください。

まず先ほどの公園から帰りたくない時。騒がず静かに横になり、無言でアピールしてくる長男には、こちらも無言で待つ作戦を取りました。そんなにいつまでも寝転がっているはずはないだろうと思ったので、近くにしゃがみひたすら長男が動くのを待ったのです。

だいたい長くても10分もかからず動き出し、手つなごっか、お昼ごはんオムライスにしようと思うんだけどどう?など、さっきまでの事などなかったようにさりげなく誘導する事で、そのまま帰る方向に持って行けた事が多かったです。

寝転がって暴れるタイプの次男には約束事を

逆に絵にかいたような地面で足をジタバタするタイプだった次男。これはもう、分かったあと1周走ろう!とか10回ボール蹴ろう!とか、時間以外で約束事を決めていました。この頃すでに5歳になっていた長男が、帰っておやつ食べよう?あの大きい木(帰る途中にある2人がお気に入りの木)までよーいどんしない?など手伝ってくれる事が多く助かりました。

2人とも帰りたがらない時は最終手段で、帰り道にある自販機やパン屋さんで釣る事もありましたが、それでないと帰らなくなると困るので、最低限にとどめるようにしていました。

男の子にも女の子にも有効な「殿様作戦」

自分でやりたい!の対応にも手を焼きますよね。これにはまず、お出かけなど時間が決まっている時には相当余裕を持っておきます。そのうえで、全てにお伺いをたてる「殿様作戦」です。この作戦は子供2人共通でよくやっていたのですが、それぞれのノリの良し悪しで効果が違いました。

まず冷静タイプな長男です。「はい、こちら靴下でございます。いかがしますか?今日はご自分で履かれますか?それとも履かせて差し上げましょうか?あ、ではこれはワタクシが…あとこちらにあります帽子ですが、今日のご気分に合うのはどの帽子でしょう?」と、とにかく全部にお伺いを立てます。これには長男、気分は害さないものの思っていたほどの反応はなく、機嫌が悪くはならない程度でした。

ところが次男には大うけ。ゲラゲラ笑いながら自分の希望をあれこれ言い、あっやっぱりこっちだったーなどフェイントまで楽しんでいました。これは友達が娘にやってみたら効果てきめんだったそうで、女の子にもおすすめです。

動画を撮ると反抗期もおもしろく見ることができる

そしていざ反抗期が爆発してしまった時にやってみてほしいのが、動画を撮る事です。なぜか画面を通すとこちらのイライラや焦りが減り、どちらかと言うとおもしろ動画として見る事ができるんですよ。

私の携帯にもいまだに残してあるのが、長男次男ともにぎゃー!と大声で泣きわめきながら走ったり地団駄踏んだり転げている動画です。撮られていると気づくと我に返る事もありますし、あとから見返した時に一緒に笑う事ができます。

自分の姿を客観的に見る事で、冷静になれるようです。これが泣いている最中にあはは見てーと見せてしまうと、携帯を投げ捨てられたりして危険ですので、ご注意ください。

3歳児の子育ては時間に余裕を持つだけで雲泥の差

3歳という難しい時期は、赤ちゃんから少し成長して言葉でコミュニケーションが取れるようになり、活動の幅も広がった頃にやって来ます。一番可愛くて、毎日のように成長が感じられる時期でもあるんです。その貴重な時期を、お互いにイライラして過ごしてはもったいないですよね。

もどかしくて泣いて怒ってしまうわが子に、うんうん分かるよと言って落ち着くのを待ってあげるだけでもいいと思います。出かける時間が迫っている朝や、急いで帰りたい夕方などは時間に追われることで親がイライラしてしまいがちです。とにかく時間に余裕を持つ事を意識するだけで、気持ちにも余裕ができるはずです。

わが家では散々兄たちに甘やかされ、何をしても怒られずに13ヶ月を迎えた三男がどのような3歳を迎えるのか…。今から不安で仕方ありませんが、理不尽さも楽しもうと今から心がけています。一緒にこの修行とも言える大変な時期を乗り越えられますように。

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